著者:長池涼太(ブラック企業研究家)
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- 仕事がつらい…
- 会社辞めたい…
と悩んでいる方はかなり多いと思います。昔の僕もそうで辞めるときにかなり悩みましたが、最後は「とりあえず辞めるか!」と心の中で思って辞めました。
とはいえ、ただ闇雲に辞めればいいわけでもなくおさえるべきポイントもあります。今回の記事では会社を辞めても大丈夫なパターン、辞めたときのメリット・デメリットなどを解説しています。
この記事でわかること
- うつ病、適応障害などの精神疾患を発症してしまった
- 慢性的にだるいなどの体調不良が続いている
このレベルは早急に辞めた方が良いです。精神疾患は治ったり軽くなったりするまで時間がかかるため、無理に仕事をすれば悪化して取り返しのつかないことにもなりかねません。
休職できればそれだけでも違うでしょうが、対処療法にすぎないため根本からアクションを起こす必要があります。
そもそも地方の中小企業以下の規模だと休職自体がない、もしくは整備されてない会社がほとんどですからね。
会社を辞めて、次の転職先が決まっていないと一時的とはいえ『無職』になります。無職になると基本的に収入もなくなります。
この点は仕事を辞めるデメリットになりますが、逆に会社にいる間に転職活動をひそかに進めて正式に辞める前に次の会社に内定をもらうことも可能です。理想は会社を辞めた翌日、翌月から次の会社に入社することですが、このようにすぐに決まれば金銭的なデメリットは打ち消せます。
ハローワークなどに出向く時間がなければ転職サイトなどを使うのも手かもしれません。
オンラインなら情報収集くらいは、いつでもできますからね。
そんなわけで仕事を辞める上でネックになるのが『金銭面』。全く貯金がない状態で会社を辞めるのはリスクもありますが、数ヶ月~1年以上の生活費を貯めた上でなら話は別です。金銭面に余裕があれば会社を辞めてもお金の心配は当面はいらないので、安心して転職活動ができますね。
あらかじめ副業などやっていて多少なりとも収益があれば、よりリスクは減らせます。
ブラック企業で長時間労働やパワハラなどが横行してる会社に勤めていたので、仕事を辞めたことは全く後悔していません。。むしろ辞めたことで僕は人間らしい生活ができるようになり、幸せを感じることができるようになりました。
具体的なことは以下の通りです。
個人的に大きいのが生活習慣が大きく変わったこと。特に長時間労働が常態化していた塾講師時代は、
- 深夜まで仕事
- 寝るのは夜明け前後
- 1日12時間以上働くのは当たり前
- 年の大半は週休1日。かつ年に数回休日出勤(休日出勤手当などは皆無)
など散々でした。
それが、塾講師を辞めて以降は、
- 朝起きて夜寝る
- 7~8時間の睡眠時間
- 休みたいときは休む
- パワハラのない世界
とある意味普通の生活ですが、僕にとっては理想のような生活を手に入れました。
塾講師時代は休みが平日かつそもそも休みが少ないのもあり、友人と会うのも年に1回あるかどうかでした。今は定期的に会ってますし、それなりに良好な関係も続いています。友人と遊ぶというのもある意味普通な気がしますが、ブラック企業時代の僕にとってはなかなか会えず孤独な日々が続いていました。
そのため、今がより楽しく思えます。
僕は会社を辞めたあとにブロガーになりました。当時は実質ニートだったのと正社員で貯めた貯金が有り余っていたこともあり、特に当時都内で開催されていたブロガーのイベントによく通っていました。
イベントが夜のためホテルに泊り、翌日は都内を1日観光してました。
イベントで仲良くなった方もおり、今でもSNSなどで連絡を取ったりたまに会ったりなどする人もいます。仕事を辞めると世界が広がり新しい出会いもたくさん生まれるので、思い切って外の世界を見てみることをおすすめします。
先述のとおり仕事を辞める上で一番ネックになるのが『金銭面』。退職すれば会社の給料がなくなるため、次の就職先が決まらず無職の状態となると収入は「ゼロ」になります。
これだけだと
収入なくなるの怖いから会社辞めない方がいい
特に次の仕事が決まらないまま仕事を辞めるのもリスクはあるため、できることなら辞める前に安心できるくらいのお金は貯めておきたいですね。
僕の場合は家計簿などで計算したうえで、2年分くらいの生活費を貯めたうえで辞めました。
貯金の方法などを以下の記事で解説しました。
ここで押さえておくべきポイントもあります。それが、失業手当(失業給付)。失業手当はハローワークで手続きをすることで、ハローワークからお金が支給されます。
雇用保険では、失業中の生活を心配しないで新しい仕事を探し、1日も早く再就職できるよう、窓口での職業相談・職業紹介を受けるなどの求職活動を行っていただいた上で、失業等給付を支給しております。
雇用保険手続きのご案内
細かい額などはハローワークに要確認ですが、前の会社の給料(基本給)の6~8割くらいになることが多いです。
ちなみに僕は正社員の塾講師を辞めたあとに失業手当の手続きをして、給料が22万円(基本給が20万円)くらいでしたが16万円を3ヶ月支給していただけました。細かい仕組みや手続きなどはハローワークのサイト内にもありますので、ぜひご確認ください。
ハローワークでは求人を探せますし、たくさんの求人がありますがハローワークはブラック企業も多く紛れているため求人を探すときは注意して求人票を観ましょう。注意点やハローワークの活用のポイントは以下の記事で解説しています。
ある程度転職や退職が一般的になってきたとはいえ、世の中の多くの人は会社で働いています。年齢がアラサーにさしかかると、正社員かつ結婚や子どもができる人も増えるため、より劣等感みたいなものを感じやすい時もあります。僕が会社(正社員)を辞めたのは27歳のときでしたが、そのときも友人で正社員かつ結婚した人もそれなりにいて、劣等感を感じたこともありました。
ただ、結局は「結婚するのが正しい!」「正社員こそが正義!」…という問題ではないです。「人は人 自分は自分」という言葉もありますが、他人と比べたり同じように生きるのではなく、自分が良いと思う生き方や働き方をすればいいのです。自分が良いと思ったのなら、会社を辞めることだってむしろ良いことなのです。
僕は自分で決めたことなら、結果がどうあれ後悔することはないです。
細かいところは会社にもよるかもしれませんが、いきなり人事部などに伝える前に直属の上司など自分に近い上司に伝えることをオススメします。上司をすっ飛ばしてしまうことで、
なんで何の相談もなく…
と微妙な雰囲気になる可能性もあるためです。僕が塾講師を辞めるときはある直属の上司に最初に伝えました。
- 会社を辞めたい
- 元々自然にかかわる仕事をしてみたい願望はあった
- 現在(当時)27歳で若いうちにチャレンジしたい
などを伝えました。幸い、上司も転職経験が豊富だったため理解は示してくれて、応援してくれるようなことを言ってくださったり軽くアドバイスまでいただけました。
戦略的かもしれませんが上司とある程度良好な関係なのは前提かも。
加えて転職経験がない上司だったら、また違った反応だったかもしれません。
民法では期間の定めのない雇用契約については、いつでも解約の申入れをすることができるとされており、解約の申入れの日から、2週間で終了することとなっていますので、会社の同意がなければ退職できないというものではありません(民法第627条)
退職・解雇・雇止めQ&A|大阪労働局
民法上では、退職の意思は2週間前に伝えればOKとされています。ただ、多くの会社では「2,3か月前には言ってくれ」としているところがほとんどです。もちろん、最速の2週間で辞められるのがベストですが、早めに退職の意思は伝えた方が良いです。
退職の意思を伝える前の緊張感はものすごい。
人生でもトップクラスに緊張しました。
会社や残る人からすると仕事の引継ぎなどもあるので、退職の意思を伝えてから実際に辞めるまで間が空くのはしょうがない部分もあります。もちろん、あからさまなパワハラなどがあるレベルのブラック企業は例外ですが。
僕が塾講師を辞めたときは、辞めるまでの間に自分が受け持っていたクラス・生徒の授業進度や生徒一人一人の特徴を次年度担当の講師に念入りに引継ぎをしました。
退職の意思を伝えて、退職の日も決まったとしても退職の日までも会社での仕事はあります。仕事がある以上、ちゃんとやることはやりましょう。下手に仕事で手を抜いたところで誰も得はしないですし、変な遺恨を残しての退職はお互いにとっても良くないですからね。
特に同じ業種の会社に転職する場合は、別の会社として再会する可能性もありますから。
持論も入っていますが「上司は未来のあなたの姿」だと思っています。例えばパワハラをする上司がいたら、それは未来のあなたの姿でもあります。何も考えずにその会社に残り続ければ、あなたも同じパワハラ上司になるということです。
ちなみにDVについて「連鎖する」なんてことも一部では言われています。
研究を進めていくうちに、育った家庭の中で両親の間に身体的暴力があった子どもは、大人になって自分の家族を持った時に配偶者に身体的暴力を行うリスクが約3倍、配偶者から身体的暴力を受けるリスクが約4倍も高いことがわかってきました。
「愛情ってなに?」DVの連鎖を断ち切る
要は幼少期に暴力があった子どもは、大人になって家族ができたときにパートナーに同じく暴力を行うリスクが増えるといわれていますが、パワハラでも全く同じことがいえると考えられます。ある意味パワハラ上司も昔は「被害者」だったのかもしれません。そして今や加害者になっているという…。
被害者であるあなたはもしかしたら未来の加害者になるかもしれません。
僕は23歳のとき、当時派遣として勤めていた建設会社で上司の強烈な詰めによるストレスで『過敏性腸症候群(IBS)』を発症しました。
過敏性腸症候群を発症する原因は、はっきりとはわかっていません。ただ最近の研究では、何らかのストレスが加わると、ストレスホルモンが脳下垂体から放出され、その刺激で腸の動きがおかしくなり、過敏性腸症候群の症状が出るといわれています。
ストレスに対する身体からのSOS 過敏性腸症候群
医者曰く、
過敏性腸症候群は基本的に完治しない。
一時的に症状が治まったとしてもストレスが溜まれば再発する。
いかにストレスを溜めない、管理するかが大事だよ。
とのことで、とにかくストレスと上手く付き合うのがポイントのようでした。その後、塾講師に転職しましたが、ここでも長時間労働などによるストレスで何度も再発しました。
再発のたびに薬を飲んで症状を抑えてきましたが、会社を辞めたあとの通常時でも昔と比べるとおなかを下しやすくなってしまいました。20代のムリはその場はしのげても、30代以降で悪影響が出るのを実感しています。
世の中の主な働き方としては、
- 正社員
- 契約社員
- 派遣社員
- アルバイト
- フリーランス
などがありますが、僕はこれらの働き方すべてを経験しています。その中で思ったのは『働き方に優劣はない』
もちろん給料の安定性だけでいえば正社員が良いのは間違いないですが、一方で正社員は責任という点がパワハラなどの温床になったり自由がききづらいなどのデメリットもあります。
そのため一概に「会社にいる間に転職活動をやるのがいい!」「会社を辞めてからじっくりやればいい!」というのは難しいです。あなたや会社の状況に合わせて、調整しましょう。
会社にいるうちに転職活動をするのが合理的ですが、休みが少ないなどブラック企業だと現実的ではないです。
- 人にもよるがさっさと会社辞めた方がいいパターンもある
- 体調がヤバい、次の転職先のあてがある、金銭的に余裕がある、という人は会社を辞めてもリスクは最小限に抑えられる
- 会社(ブラック企業)を辞めると人間らしい生活を取り戻せる
- 会社を辞めることで収入が減る(なくなる)、周りと比べることによる劣等感は出てくることもある
- ただし収入は失業手当がもらえればどうにかなる
- 会社にいるうちに転職活動をすべきか辞めてから転職活動をすべきかは人や状況による
「とりあえず仕事を辞めた」はオーバーかもしれませんが、最終的には僕も思い切ったみたいな感覚で会社を辞めました。
正社員であれば少なからず貯金がありますし、ある程度の期間働いていれば失業手当を受け取れることも多く、意外と会社を辞めたリスクも今はそこまで大きくはないです。「会社を辞める=人生終わり」ではなく、今後の人生を切り開くために必要になることもあるのです。
会社を辞めてからも道を切り開いていきましょう。