著者:長池涼太(ブラック企業研究家)
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僕は大学生の時、一人暮らしをしていましたがアパートではなく「学生会館」という寮みたいなところに住んでいました。
アパートと違い食事が出たり寮長・寮母さんが常駐しているので、セキュリティ面も含めて安心感があるのはアパートなどにはない特徴です。特に学生本人はもちろん親の立場からしてもお子さんには安心できる環境で一人暮らしをしたり、食生活など健康に気を付けてほしいという思いもあると思います。
「学生会館ってどんな環境なのか?」「学生会館だと安心なのか?」大学時代に学生会館で4年間一人暮らしをした経験を踏まえて今回の記事では解説しました。
学生会館・学生寮とは?
学生会館と学生寮は呼び名が違うだけでほぼ同じものです。
個室を持ちながらもバスやトイレ、キッチンなどは共同で使うシェアハウスのようなタイプの物件が多いですが、マンションと同様にお風呂・トイレ・キッチンがお部屋についているタイプの物件も年々増えています。学生マンションと違い、食事提供があるところが多く、プライベートを確保しながらも、生活のサポートがあり、友人も作りやすいのが特徴です。
学生マンションと、学生会館・学生寮の違いとは?|学生会館ドーミー
学生会館はいわゆる寮みたいなところで、特に栄養バランスに配慮された食事がついてきたり、その他館内でのサポートもあるため学生本人はもちろん親御さんからしても安心して住める場所で、初めての一人暮らしをするにあたっても、寮長・寮母さんが常駐しているので安心です。
大学が運営する寮もあり近い部分もありますが大学の寮と違い、学生会館は民間企業が運営していることが多いです。伊藤忠グループが運営する「東京・スチューデントハウス」や東証プライム上場企業の共立メンテナンスが運営する「学生会館ドーミー」が有名どころです。
住人は大学生や専門学校生、越境してきた高校生などの学生で、いろんな学校の学生がおり、他の学校の友達も作りやすい環境です。
僕が住んでいた学生会館は東京・スチューデントハウス系列でした。
学生会館のメリット
家賃など諸費用がアパートより安めな傾向
物件や地域にもよりますが、全般的に学生会館の家賃はアパートなどの相場よりは安い傾向にあります。たとえば2025年3月オープンの東京・スチューデントハウスサザン元住吉を例にとると、ここは家賃が62,000円~77,000円ですが、ホームズによると元住吉の家賃相場はワンルームや1Kで75,000円~77,000円ほどだそうです。他の地域でも同様にアパートの相場より数千円安いところが多いため、家賃面で見るとアパートよりは学生会館の方がお得なことが多いです。
実際は学生会館で出る食事代や光熱費、ネット回線の費用も上乗せされますが、食事のクオリティや光熱費も共有スペースが多いのを考えると同様にアパートよりお得になることが多いです。
入館にあたっては入館費や保証金等の初期費用が掛かる場合もあるのでその点ご注意ください。言葉は違いますが、アパート等でいう敷金礼金みたいなものですね。
また家賃の細かい良しあしは地域にもよるので、近隣のアパート等と家賃を比較することをオススメします。
家具家電が備えつけなことが多いため家具・家電の費用を節約できる
学生会館は家具等が備えつきなことも多いため、物件によっては家具等の購入もかなり省けることもあります。僕が住んでいた学生会館は机とベッドは最初からついていたので、入居にあたって買ったのはテレビと小型の冷蔵庫くらいでした。
平日と土曜日の朝晩の食事が出て自炊はたまにやるくらいだったので、冷蔵庫は最低限のサイズでも大丈夫でした。
画像のベッドの下が引き出しになっていたり、手前には収納スペースもあったので特に何も買わなくても服などの置き場所も困りませんでした。
栄養バランスを考えられた食事、自炊の手間が省ける
学生会館の一番の特徴は食事がついていることです。僕がいた学生会館は平日と土日の朝食・夕食が月2万円でついてきました。食事は寮長・寮母さんが栄養バランスを考えて作ってくれますし、非常においしいので自炊や食生活に不安のある方にはうってつけです。
僕も社会人になって以降も一時期シェアハウスに住んで、家事などを一通りやりましたが個人的には料理が一番めんどくさいと思ったので、料理の手間が省けるのはかなりありがたかったです。
親御さんにとってもお子さんの健康や食事について不安を持つ方は多いですよね。
共有スペースが多いと自分が掃除するエリアは最低限で済む(家事が最低限で済む)
僕がいた学生会館は風呂、トイレ、キッチン、洗濯機・乾燥機が共用でした。そのためこれらの掃除は外部の業者の方がやってくれていたので、掃除をするのは実質自室内だけでした。自室も6畳くらいでベッドと机があるだけの部屋だったので掃除機でサクっと掃除もできました。
ちなみに風呂は大浴場+シャワールーム付き、洗濯機は1回150円、乾燥機は1回100円で利用できました。
セキュリティ・安全面が万全
普通にアパートなどに住んでいると新聞や宗教等の勧誘やNHKの集金などいろんな人が来て面倒なこともあります。その点、学生会館は寮長が常駐していますし、学生会館内も中に入るためにはカードキーなどが必要なため自室に外部のわけのわからない人が来ることはまずありません。
一人暮らし経験者の知人に話を聞くと、訪問販売等も含めて予期せぬ営業、来訪者はかなり面倒だそうなのでそういった人も学生会館であればシャットアウトできるので安心感があります。
宅急便などは本人が不在でも寮長が預かることが多いです。
他大学の友人を作りやすい
大学が学生寮を運営している場合もありますが、その場合は同じ大学の人しかいません。その点学生会館だと様々な大学の学生が住んでおり、学生会館によっては歓迎会などの交流イベントを企画している場合もあり、他の住人の学生とも交流はしやすいです。
僕がいた学生会館は毎年4月の終わりに歓迎会をやっていました。
僕も同じ階の他大学の学生などと仲良くなって、個人的には大学の友人よりも学生会館内の友人と遊びに行く方が多かったくらいです。
大学から離れたところに住んでいた関係で、大学の友人よりも学生会館の友人と遊ぶことの方が多かったです。大学を卒業して10年以上たちますが、学生会館で一番仲の良かった友人はいまだに毎年年賀状をくれます。
学生会館のデメリット
共用スペースが多くプライバシー的なデメリット
風呂やトイレなど共用スペースが多いということは先述しましたが、逆にいえばそれだけ人の目に触れることも多いかと思います。この点を気にしない人は特に問題ないですが、プライバシーに関して神経質なタイプの人にとっては少し苦しい部分もあるかもしれません。
プライバシーを保つだけであればアパートに分があります。
トイレや風呂など共有スペースが多いため、1日ずっと自室にこもることはまずなかったです。
人間関係のストレス
一般的なアパートなどと比べると学生会館は同じ会館内の学生と会う機会も多く、良くも悪くも近隣住人との距離は近いです。お互い特に問題なく、仲良く過ごしていれば良いのですが、トラブルが発生すると少し面倒かもしれません。
僕がいた時も一時期いた隣の部屋の人がいわゆるDQN気質のある人で、深夜になっても部屋で騒いでいることが多々ありました。正直怒鳴りこもうと思ったときもありましたがケンカなどになってより面倒なことになりそうな気がしたので、夜中に自室から携帯で管理人室(寮長)に電話をかけてその人の部屋に行ってもらって騒ぐのを止めてもらったこともありました。
言い換えれば学生会館の特性上、寮長が常駐しているためトラブルの対処もしやすい側面もありますが、距離が近い分トラブルの可能性は少し上がるかもしれません。
アパートでもこの手のトラブルはありますが、学生会館と比べると少し手間と時間がかかる印象。学生会館の方がトラブルがあっても対処は早いかな。
友人、恋人を連れこめない、連れこみづらい
学生会館内はカードキーがないと入れないなどセキュリティ面はしっかりしています。逆にいえば無断で外部の人が入れないため、友人や恋人などを連れ込みづらい部分もあります。(家族はOK)
僕がいた学生会館は同性の友人(男性)を連れ込むのは寮長に一言いえば問題なかったですが、異性の連れ込みは家族を除いて原則NGでした。また外部の人の宿泊もNGでした。
さらに女性専用の学生会館はより厳しく家族以外の外部の方が入るのがより厳しい、禁止されていることもあります。その点では、家に友人を連れ込んで遊びたいタイプの人には学生会館は向かないかもしれません。
この点はデメリットととるか意見が分かれそうですが、個人的にはセキュリティ上しょうがないのと元々友達を家に連れてくるというのをあまり積極的にしなかったタイプだったのでそこまで気にしませんでした。実際僕は4年いて大学の友人を自室(学生会館)に招いたことのは1回だけでした。
門限等のルールはある
最近は緩和されているところが多いですが、僕がいた学生会館は一応の門限はありました。先述の食事が出る(食堂が開いている)のが22時までだったので、その関係もあったことでしょう。
ただし外泊等がNGというわけでもなく、事前に外泊の届けを出すなど寮長などに申し出ていれば特に問題はありませんでした。僕も就活等の関係で茨城の実家に戻ることも多かったですが、その都度外泊届けは出していました。
最近は門限を廃止しているところも多いそう。仮に門限はあるにしても事前に言えば基本的に問題ないです。
門限というよりは帰る目安の時間みたいものかもしれませんが。
大学への通学距離が伸びる場合もある
大学生でアパートに住む場合、大学近辺のアパートを借りる方も多いため大学の近くで一人暮らしをする人が多かったです。アパートであればだいたいどこに行ってもありますし、大学の近くはアパートや不動産屋も多かったため、そこまで場所には気をつかわなかったです。
ただ学生会館はアパートほどの数はないため、多少なりとも場所の制約は生まれてしまいます。僕は大学(玉川大学)の最寄り駅が小田急線の玉川学園前駅でしたが、実際に住んだ学生会館の最寄り駅は玉川学園前駅から7駅行った大和駅でした。徒歩も含めると通学に40分くらいかけていたので、一人暮らしにしては遠方からの通学でした。
僕の大学の友人で一人暮らししてた人は大学の周りや遠くても2,3駅行ったところに住んでいる人が多かったです。
ただ、大学からの距離は伸びると言ってもほとんどの学生会館は駅から徒歩10分以内に立地していることが多いため、スーパーなど必要なお店が近隣にあることも多いので、日常生活全般で考えるとかなり便利な場所にあります。
東京などの大都市圏以外は少ない
現状学生会館は東京都内、神奈川県あたりが多いようで茨城県など地方になると数が大きく減り、ほとんどないような地域が多いです。
茨城県内だと茨城大学の水戸キャンパス近くに「カレッジコート茨城大学前」というところがあり、茨城県内の数少ない学生会館です。茨城大学近くですが同じ水戸市内の常磐大学も近いですし、バスも通っているので水戸駅から県内各地への通学もしやすいです。
全般的に地方は学生会館は少なめ。
まとめ
- 大学生の一人暮らしにはアパート以外に学生会館(学生寮)という選択肢もある
- 学生寮は机やベッドなど家具が備えつきなことも多い
- 栄養バランスの取れた食事つきなので、健康面も安心、自炊の手間も省ける
- 学生会館に入るにはカードキーな度が必要なので、セキュリティ面も安心
- 他の大学の住人が多いので、他の大学の友人も作りやすい
- 食事つきなどのオプションの関係で家賃など毎月かかる費用はアパートよりかさむ場合もある
- 共有スペースが多く、完全なプライバシーの確保は難しい
- アパートみたくどこにでもあるわけではないので、立地や大学によっては通学距離が伸びることもある
学生会館は家賃の面でお得だったり、食事付きなので料理が苦手だったり栄養バランスに不安のある方にとって安心できる材料です。
一方でアパートよりも他の住人との距離が良くも悪くも近い点ではその状況ならではのトラブルもないことはありません。
いずれにしても一人暮らしをするうえで住む環境非常に重要です。自分に合うタイプのところに住みましょう。