著者:長池涼太(ブラック企業研究家)
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僕は塾講師時代、休日出勤をすることが多々ありました。
元々休みが少なかったり、残業も過労死ラインをこなしていましたが、そのうえであった休日出勤。先日知人と当時の休日出勤について愚痴っぽく話していたら「断ればよかったじゃん!」と言われ「確かに…」と思いました。
そもそも当時は断るという発想自体が無かったですが、どうせならと思い本当に休日出勤って断れるのかどうか法律面を中心に調べてみました。結果、休日出勤の是非は是非を判断するポイントが見えてきたので、会社でやたらと休日出勤を頼まれてモヤモヤしてる人に参考になればと思います。
休日出勤は断ることも可能?
休日出勤は断ることができるのか?まずは法律や契約面をもとに調べました。
休日出勤は断れない
今回休日出勤について改めて調べてみましたが、意外と「シビアな」印象を受けました。
会社が労働者に対して、休日出勤を命じることができる労働契約上の根拠が存在し、労働基準法上のルールを守っている場合は、労働者は、原則として休日出勤を拒否することはできません。
他方で、正当な理由なく休日出勤を拒否するということは、会社からの業務命令を拒否することと同義となるので、業務命令違反として減給や懲戒処分を受ける可能性があります。
休日出勤を拒否したら処分の対象? 拒否できるケース・できないケース|労働条件・ハラスメントの弁護士コラム
ここでいう労働契約は就業規則や雇用契約書を指しますが、これに加えて36協定の締結と届け出も必須です。
こういった書類で休日出勤が定められている場合は基本的に断るのは難しいですし、むしろ断ると業務命令違反になる場合もあるそうです。
別の記事で解説した退職金もそうでしたが、就業規則や雇用契約書などの書類はそれだけ影響力が大きいってことですね。
就業規則での言及や36協定の締結は要チェック
とにかく休日出勤の是非は
- 就業規則や雇用契約書で休日出勤のことが言及されているか
- 会社が36協定の締結や届け出をしているか
この2つがポイントになります。
労働基準法第106条では、36 協定(時間外労働・休日労働に関する協定)や就業規則のほか、
下表の労使協定等について、周知が義務づけられています。36協定や就業規則等を周知するために、労働基準監督署の受付印を押した事業場控えが必要な
36協定・就業規則は周知が必要です|長野労働局
場合は、届出の際に、届け出用と控え用をそれぞれご用意ください。
実際、労働局・厚生労働省によると就業規則はもちろん36協定も社員への周知は義務付けられています。知人の会社みたく社員に配布するのがベストでしょうし、社内の見やすい場所に置いておく、磁気テープ・ディスクなどにデータとして入れていつでも見れるようにしておくのが望ましいとされています。
塾講師時代の休日出勤事情
僕は正社員で塾講師を4年やっていましたが、休日出勤がたまにありました。
当時どんな感じで休日出勤してたかなどを解説しています。
教室の新規出店・撤退で机などの備品の搬入を業者代わりにやってた
僕がいた塾は毎年のように教室の撤退や新規出店がありました。そうなると撤退であれば教室にある机や椅子などを片付けなければいけませんし、逆に新規出店する教室にそれらの備品を搬入しなければならない。
ただ、うちの塾はこういったのを引っ越し業者には頼まずほとんどを僕みたいな講師がやっていましたし、特に僕含め若手は休日にやらされました。深夜まで仕事した翌日の朝に召集され、そこから夕方まで1日中引っ越し業者のようにひたすら重い机や棚などを社長と一緒に運んでました。ちなみに休日出勤しても休日出勤手当などは1円も出ませんでした。
一応フォローすると昼ごはんは社長がおごってくれました(笑)
就業規則に休日出勤の記載はなし
そんな塾ですが、就業規則には休日出勤の文言はありませんでした。強いて言えば「休日の振り替え」という項目はあり、要は業務上やむを得ない場合に振り返る休日を指定、通知したうえで休みをズラすみたいなことはできるようです。
ただし僕の場合は、休日出勤をしてもその分どこかが休みになることはなかったです。
本来はこれに加えて雇用契約書を確認するところですが、肝心の雇用契約書は行方不明。
捨てたとは考えづらく、おそらく原本を会社が持ってるのみで控えはなかったかと。
とにかく、ただでさえ少ない休日がより減りました。
36協定は未確認
では、36協定はどうか?こちらは未確認です。
ちなみに僕の知人の会社はかなりしっかりした会社で、「時間外労働及び休日労働に関する協定書」という書類があり社員にも配布していたようです。僕がいた塾はこのような協定書は少なくと見たことはなく、ちゃんと締結してたかは謎です。
就業規則も36協定の書類も本来は社内のどこかにあり、かついつでも見れるようにするのが法的に定められているので気になる人はチェックしましょう。
塾業界は残業ありきな業界なので、36協定を締結してないのは考えづらいかな。
ただ、やはりまともな企業はそもそも配布しているみたいなので探すまでもないですけどね。
まとめ
- 就業規則や雇用契約書などで休日出勤がきっちり定められている場合は休日出勤は原則断れない
- 休日出勤の是非の判断は就業規則や雇用契約書が必見
- 塾講師時代は教室内の備品片付け・搬入による休日出勤があった
- 就業規則に休日出勤の言及がなかったため、この場合は断ることも可能だった可能性がある
- 36協定の書類、協定書も要チェック
休日出勤の中には就業規則で定めれていたり業務上必要だったりと、根拠があるものがあります。休日出勤手当なども出る上でなら、休日出勤は必ずしも悪ではないと思いました。
ただ、僕の元勤務先みたく書類諸々がいい加減な会社も多く実は必要かどうか怪しい休日出勤もけっこうあります。
まして休みが少ないうえで無駄に休日出勤が多かったら僕みたくドクターストップがかかるレベルで体調を崩すこともありますからね。必要ない休日出勤は避けるために今一度就業規則や雇用契約書などの書類をチェックしましょう。