著者:長池涼太(ブラック企業研究家)
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先日ネットサーフィンをしていたら、「やはり通勤は悪だった…」通勤時間とメンタルヘルスの関係が明らかに!という記事を見かけました。
通勤時間とメンタルヘルスの関係性に関する記事で、要は通勤時間が長いほどメンタルヘルスに悪影響という研究結果が出たそうです。
僕も会社員時代にメンタルを病んだ経験はあるだけに興味を持った内容でした。
今回の記事では僕の会社員時代の通勤時間にも触れつつ、通勤時間とメンタルヘルスの関係性について考察しました。
日本人は通勤時間が長いらしい
しかし、総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」によると、日本の1日の平均通勤・通学時間は、1時間19分にもなります。
なんと平均であっても片道40分も通勤や通学に費やしているのです。
当然、これは単純計算で1週間に6時間40分も通勤に費やしていることになり、これはほぼ丸一日追加で働いているのとかわりません。
「やはり通勤は悪だった…」通勤時間とメンタルヘルスの関係が明らかに!
片道40分は個人的にはまあまあ遠いなという感覚です。
しかもこれが1週間と積み重なると6時間以上とそれなりの時間になりますね。
ちなみに都道府県ごとの差もあるようで、全国で一番通勤時間(1日の往復)が長いのが神奈川県の1時間40分、一番短いのが宮崎県で56分だそうです。2位以降は千葉、東京、埼玉と都市圏が続いてます。
我が茨城県は1時間18分(片道39分)で9位だそうです。
都道府県ごとの通勤時間のデータは令和3年社会生活基本調査よりExcelでダウンロードできます。
The average commute time in South Korea is 101 min per day, the highest among OECD countries; this contrasts starkly with the shorter commute durations observed in countries such as Sweden (18 min), the United States (21 min), the United Kingdom (22 min), and Japan (40 min; OECD, 2016). South Korea is also known as the country with the highest prevalence of depression among OECD countries (Hewlett et al., 2021).
Association between commuting time and depressive symptoms in 5th Korean Working Conditions Survey
(訳)韓国の平均通勤時間は 1 日あたり 101 分で、OECD 加盟国の中で最も長い。これは、スウェーデン (18 分)、米国 (21 分)、英国 (22 分)、日本 (40 分、OECD、2016 年) などの国で観察された通勤時間の短さとは際立って対照的です。韓国は、OECD諸国の中でうつ病の有病率が最も高い国としても知られている( Hewlett et al., 2021 )。
上記は通勤時間に関する論文の一部ですが、特に韓国が平均の通勤時間が101分ととびぬけて長く続く日本が40分、アメリカやイギリス、スウェーデンは20分前後と日本と韓国の通勤時間が世界的に見ても長いと分かります。
通勤時間が長いことのメリット
一般論としては「通勤時間が長い=悪」みたいですが、通勤時間が長いことによるメリットを自分で考えたり知人にも聞いてみました。
まとめるとだいたい以下の3つにまとまる印象です。
趣味や勉強の時間に充てられる
特に電車通勤の場合は、目的の駅に着くまでは特に何もやることがないことが多いですよね。
しかし最近は人によっては電車で移動中にスマホを見て情報収集やちょっとした勉強をする方もいるそうです。
副業をやる人も増えてますし、通勤中にちょっとした副業なんてこともできるかもしれません。
また、車通勤でもスマホや車のオーディオを活用することでAudibleのように運転しながら音声で勉強することも可能です。
特に電車通勤ならスマホやタブレットでできることは多いですね。
最近はAudibleやオーディオブック配信サービス – audiobook.jp などのようにスマートフォンで使えるサービスも増えています。
普通に本を買うよりかさばらなくていいですね。
通勤自体が運動になる
これは徒歩や自転車通勤の人になりますが、通勤自体が良い運動になりますね。
僕は会社員時代は車通勤でしたが、スマホで歩数を調べると意外と歩きません。
運動する時間を捻出するのもハードルが高い場合もあるので、出勤時間をそのまま運動に充てられれば楽ですね。
メンタルヘルスの観点で理想なのは、「自宅と職場が近く、その短い距離を徒歩や自転車で移動する」ことなのかもしれませんね。
「やはり通勤は悪だった…」通勤時間とメンタルヘルスの関係が明らかに! (2/2)
近い職場を自転車や徒歩で通勤できれば、メンタルヘルスにもよく運動にもなって一石二鳥ですね。
オンオフの切り替え
研究の中でも言及されており、
There are some possible upsides to a longer commute that we shouldn’t overlook: some commuters describe their long journeys home as a good time to ‘switch off’ or detach from work.
(訳)通勤時間が長くなることで見落とすべき利点がいくつかあります。通勤者の中には、長い帰宅時間は「スイッチを切る」、つまり仕事から離れるのに良い時間だと表現する人もいます。
Massive Study Finds a Link Between Commuting And Poor Mental Health
このように長い通勤時間がスイッチを切るのに適した時間とする意見もあるようです。
例えば僕が昔勤めた建設会社は職場が家の近所でした。
そこでは上司の圧などでうつ病寸前になりましたが、会社のことを引きずった状態で帰宅することも多々あったため家にいても仕事のことを引きずっている感じはありました。
一方で塾講師の時は通勤に1時間くらいかけることも多かったですが、通勤にある程度時間がかかったことで多少仕事で何かあっても行き帰りの間にある程度切り替えができていた気はしました。
通勤時間が長いデメリット
睡眠時間や自由時間が削られる
単純な話ですが、通勤に時間をかけすぎるとそのぶん睡眠時間や自由時間が削られることになります。
僕の場合、残業があったのも大きいですが仕事の日だと朝はご飯だけ食べてすぐ家を出たり、帰ってもご飯だけ食べてすぐ寝るみたいな生活だったため、仕事の日に自由時間はほとんどありませんでした。
今思うと、仕事の日でも多少なりとも自由時間は欲しかったですし、自由時間があれば体調ももうちょっとマシだったかなと思います。
ある意味最終手段ですが、電車通勤の場合は電車で寝る人もいるとか。
通勤自体に疲れる
電車だろうと車だろうと通勤時間が長いと疲れますよね。
僕は特に塾講師時代は遠い日は車で片道1時間もありましたが、1時間運転するのも意外と疲れます。
まして帰りに仕事で疲れ切った状態だと変えるのすら億劫に感じてしまうこともありました。
特に車通勤の場合は疲れすぎていると運転にも支障が出て事故を起こすリスクも上がるので気をつけたいところ。
アクシデントで出勤しづらくなる
通勤時間が長い(勤務地まで遠い)場合、通勤途中で何かあると通勤に遅れが生じたり最悪通勤ができなくなります。
例えば都心部で電車通勤なら混雑や事故などで電車が遅延したり、運転見合わせなどがあります。
車通勤の場合は事故や渋滞もそうですが、特に冬となると雪も厄介ですね。
雪で車を出せなくなることもありますし、車を出せたとしても雪道の運転は非常に難しいですし事故のリスクも高いです。
僕も塾講師時代に大雪に遭ったことがあり、そのときは車を出せなくなってしまいました。
結局電車通勤に切り替えて何とか出勤しましたが。
僕の元職場の通勤時間とメンタルヘルス
ここからは実際に僕が勤めた職場の通勤事情とメンタルヘルスについて解説しています。
建設会社
初めての就職先。
当時は車を持っておらず職場も近所だったため、徒歩での通勤でした。
残業もなかったため17時台で帰宅できましたが、度重なる上司からの圧で入社1か月でストレス性の胃腸炎、過敏性腸症候群を発症し、2か月弱で鬱寸前の状態にまで追い込まれました。
給料や休日など諸々の条件は公務員に準ずる感じだったので、そこだけならよかったのですが…。
ただ、とにかく近いので会社帰りに友達とご飯を食べに行くなどは非常にやりやすかったです。
学習塾
教室が遠いのと車でないといけないエリアもあったため、車を買ったうえで入社。
行く教室が日替わりだったため毎日通勤時間が異なりましたが、自宅からは遠いエリアを担当することが多く1時間弱かけて車通勤することがほとんどでした。
メンタルヘルスでいうと前述の建設会社よりはマシでしたが、
- 長時間労働
- 過労死ラインの残業
- 年の大半が週休1日
という状態だったため体調を崩しがちでした。
そこから少しメンタルにきたというのはありました。
たまに深夜まで仕事をして翌日の午前中から仕事という日もあり、そういう日は帰って寝て起きてご飯食べてすぐ家を出るような生活でした。
農業
こちらも車でないと行きづらいエリアでしたが塾に比べれば近かったのでそんなに遠い感じはありませんでした。
入社3週間でパワハラを受けてクビになってしまったため、細かい考察はできませんが車で20分くらいの通勤時間は個人的にはちょうどいい感じはありました。
ただし、日ごろから社長に圧をかけられたり最後はパワハラを受けてクビになったのでメンタルはボロボロにされました…。
まとめ
- 日本は世界的に見ても通勤時間が長い
- 通勤時間が長いメリットは「趣味や勉強の時間に充てられる」「通勤自体が運動になる」「通勤時間中にオンオフの切り替えができる」
- 通勤時間が長いデメリットは「睡眠時間や自由時間などが削られる」「通勤自体が疲れる」
- 職場環境次第では通勤時間が短くてもうつ病などメンタルヘルスのリスクもある
基本的には通勤時間が長いほうがメンタルヘルスに悪影響みたいです。
ただし通勤時間が短ければいいものでもなく、僕みたく徒歩圏内の職場でもうつ病寸前までいく例もあります。
通勤時間の長さもそうですが、やはり職場環境も重要ですね。