著者:長池涼太(ブラック企業研究家)
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「ブラック企業とはどんな会社なのか?」
最近改めてこのことについて考えています。ブラック企業の発信を8年ほどやっていますが、「ブラック企業とは?」と聞かれても説明するのが意外と難しかったりします。
今回はそんなブラック企業について改めて定義的なことを調べたり、知人などに意見を募ったうえでまとめてみました。
厚生労働省が定義するブラック企業
厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。
確かめよう労働条件|厚生労働省
ブラック企業など労働問題の管轄は厚生労働省ですが、そこではブラック企業というと主に「長時間労働」「ハラスメント」に焦点を当てたものになっています。
このあとにもまとめていますが、僕が県内のブラック企業経験者に聞いた話やそのほか知人にブラック企業の認識を聞いても長時間労働とハラスメントは必ずと言っていいくらい出てきたので、長時間労働とハラスメントはブラック企業を構成する要素としてかなりポイントになるみたいですね。
茨城県内のブラック企業も長時間労働とハラスメントが多い
以前知人などから茨城県内のブラック企業について情報をいただき僕の元勤務先も含めて30社以上のブラック企業の情報を得ました。社内で具体的にどんな事案があったかを以下のつの項目でまとめました。
- 長時間労働
- ハラスメント
- 給料などお金関係
- その他
事案の詳細の一部は体験談として以下の記事でもまとめています。
ブラック企業とは何かを知人にも聞いてみた
ここまでは厚生労働省が定めているブラック企業の定義について解説しましたが、では一般の人はブラック企業に対してどういう認識なのか?主な意見をいくつか挙げてみました。
従業員を尊重しない企業体質
- 法律違反やハラスメントの横行など、従業員の心身や権利を軽視する姿勢が見られる。
- 従業員の意見を聞かず、一方的に不利な条件を押し付ける。
- 人材を「使い捨て」と捉え、育成やキャリア支援を怠る。
まず個人的な持論として従業員と経営者、上司と部下などの上下関係はあるにしてもお互いが「リスペクトする」ような心持ちは必要だと思っています。たとえばブラック企業においては「ハラスメント」が話題に挙がりますが、お互いがお互いを尊重していればハラスメントは起きづらいと思います。
そしてブラック企業はそういうハラスメントの横行はもちろん労働基準法などの法律違反も多いです。労働基準法はたとえば労働時間や時間外労働の上限が定められていますが、本来は従業員の健康を守るために定められたものだと思っています。そのため従業員に気持ちよく仕事をしてもらったり、健康でいてもらうという観点では法律を守るというのは本来当たり前のはずです。
ブラック企業は人(従業員)を人として扱わないことが多いですね。
コミュニケーションの欠如
- 上層部と現場、部署間でのコミュニケーション不足により、情報が共有されず、問題解決が遅れる。
- 風通しが悪く、従業員が意見や提案をしやすい環境がない。
- 会社全体で共通認識を持つことができず、問題意識が共有されない。
主観ですがブラック企業は上司などとコミュニケーションがとりづらいなど風通しが悪い会社も多い印象を持っています。僕が勤めたブラック偉業も社長のワンマン企業だったり、上司の力が強すぎて若手が何もできないことも多かったです。社長のワンマンな姿勢のために現場を無視していろんな施策を打ってきて、結果現場が疲弊したこともありました。
ちなみに現在の僕は会社員ではなくフリーランスですが、その一環としてNPO法人に所属しています。会社とは仕組みが違うとはいえ「組織」という点では一緒ですが、NPOでは意見などもかなり言いやすく意見を言ったから批判されることもないため会社にいたときと比べてかなり風通しは良くなったと思います。
僕がいた会社では、会社や上司に意見するなんて考えられなかったもので…。それこそ社内のナンバー2の人が社長に意見されたら、危うく左遷されそうになってたくらいなので。
(社長は冗談のつもりだったかもわからないですが)
ちなみに今回数人の知人に意見を聞いた中では、このような『人』に絡む意見が多かったですね。
従業員への悪影響
- 心身の健康を害する: ストレスや過労により、心身の健康を害する従業員が後を絶たない。
- キャリア形成を阻害: スキルアップやキャリアアップの機会が奪われ、将来に不安を抱く。
- 転職意欲の低下: 労働環境の悪さから転職を考えるも、疲弊しすぎて行動に移せない。
そしてここまで紹介した悪い要素が重なると上記のような悪影響が出るとも考えられました。長時間労働やハラスメントを中心に企業体質などもあってストレスが溜まり、うつ病など心身に悪影響が出ることもあります。
僕だと派遣事務の時にストレス性の過敏性腸症候群・胃腸炎を患ったり、塾講師時代にも過敏性腸症候群が再発したり、長時間労働により自律神経に異常が生じたりしました。
またブラック企業で疲弊しすぎると会社を辞めるという発想すらなくなってしまうことがあります。ちなみに健全な会社の場合はステップアップや独立のための退職や転職もありそういう人を快く送り出すことが多いため、ある程度社員の入れ替わりがあるくらいが会社として実は健全とも考えています。
働いている中で会社が従業員に価値を感じられるのが良い会社
今回の記事を書くにあたって上記のように厚生労働省のブラック企業の定義を改めて調べたり、友人もブラック企業とはについて聞いて回りましたが、その中で僕もブラック企業とはどんな会社かを改めて考えました。
その中で僕が感じたのは「会社が従業員に対して何らかの価値などを見出しているかどうか?」がポイントだと思いました。こう思ったのは僕が農業法人をパワハラを受けてクビにされる際に社長から「おまえは価値のない人間だ!」と切り捨てられた経験が大きいです。
会社からすれば選考をしていく中で従業員に対して何かしらの可能性(価値)を感じたうえで採用しているはずです。まして年齢を重ねて即戦力ならとにかく当時の僕みたく20代など若手ならなおさらです。
言い換えれば会社から従業員に対する『リスペクト(尊重や敬意)』とも取れると思います。ブラック企業やハラスメントなどをするような上司は部下など従業員に対してのリスペクトがないから雑に扱ったりハラスメントをするのだと思います。
日常的なやり取りでも相手が最低限レベルでも敬意をもって接しているかは何となくわかります。
まとめ
- ブラック企業の定義は細かく定められてはいないが主にハラスメントや長時間労働が挙がっている
- 実際に情報をいただいたブラック企業の事案としても長時間労働とハラスメントが多い
- いろんな人に「ブラック企業とは何か?」を聞いてみると企業体質や社内でのコミュニケーションがポイントな印象を受けた
- 会社が従業員に対して「何らかの可能性を見出しているか」は大事だと思った
厚生労働省のHPに言及はありますが、ブラック企業は公式にはっきりと定義づけられているものではありません。今回の記事も知人にも聞いて回ったうえでまとめましたが、それでも主観もかなり入って入ると思います。
特に今働いている会社で何かひどい仕打ちなど受けていても自分の勤め先がブラック企業と気づけないケースは昔の自分も含めて意外と多いです。
今回の記事が今の勤め先や転職活動でブラック企業を避けることにおいて何か気付きになればうれしいです。