著者:長池涼太(ブラック企業研究家)
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僕は27歳の時に会社をクビになり、そこから約2年無職でした。最初の頃は今後の見通しが立たず不安を覚えることも多かったですが、結果的に今はフリーランスをやっていたり、2年の無職の間に様々な経験を積み重ねてきたので、むしろ無職の2年間が今の僕を作ってくれたとすら思っています。
20代のうちに無職になったところで人生は終わらない、むしろ新しい人生が始まる!そんなことをお伝えできればと思います。
20代で無職=人生終わりと思う理由
会社員のみ視点・経験では「無職=失敗」と思われがち

会社員時代の僕もそうでしたが、退職・転職の経験がないと会社を辞めるというのは一大事で、人生が終わるみたいなことを考えていました。特に退職・転職経験がない人ほど「無職=人生が終わる」というイメージを持ちがちです。働き続けることが当たり前になっている環境では、無職の人に対して「何か問題があったのでは?」「再就職は難しいのでは?」といった偏見を抱くこともあります。そのため、自分が無職になったときも「このまま社会から取り残されるのでは」という強い不安を感じやすいのです。
日本の社会的な価値観(新卒至上主義、キャリアの一貫性重視)
日本での就活は新卒のウエイトが非常に大きいです。「新卒カード」というワードもあるくらい新卒は付加価値があり、新卒か既卒かだけでも大きな差が生まれます。
「新卒カード」とは、日本の就職市場において新卒が有利な立場にあることを表した言葉です。日本では、昔から多くの企業が新卒一括採用方式を行っています。 新卒一括採用方式とは、大学などに在籍中の学生を対象に一定のスケジュールを組んで選考を行い、卒業と同時に大量の新卒生を採用する方式のことです。 同方式は、終身雇用や年功序列といった日本特有の人事制度との相性が良いこともあり、50年以上の長きにわたって行われています。新卒採用を重視し、中途採用はほとんど行っていない企業も珍しくありません。
新卒カードとは?無駄にしたときの効果的な対処法も解説|20代・第二新卒・既卒向け転職エージェントのマイナビジョブ20’s| マイナビジョブ20’s
日本では「新卒で就職し、同じ会社で長く働くこと」が理想とされる傾向があります。特に大企業や安定した職業ほど、キャリアの一貫性が評価されやすく、職歴に空白期間があると転職時に不利になりやすい場合もあります。また、「一度レールを外れると元に戻れない」という考え方が広まり、無職になることに対する不安を強める要因となっています。
キャリアに対する考えも最近は変化はありますが、それでも新卒から定年まで1つの会社に勤め続けるのが一番いいみたいな価値観もまだ根強いです。海外では新卒一括採用自体が無い国も多く、この点では日本の新卒のシステムは良くも悪くも独特です。
実際に無職になった人が感じる不安
無職になると、多くの人が将来への不安に襲われます。
「このまま再就職できなかったらどうしよう」「親や周囲の人にどう思われるか」といったプレッシャーが強まり、焦りや自己否定につながることもあります。また会社員時代は当たり前だった安定した収入がなくなり、生活費の不安も大きくなります。さらに働いていないことへの罪悪感から、人と会うことを避けたり、行動する気力を失ったりするケースもあります。

慣れるまではこの辺はキツイ。無職も必ずしも気楽というわけではないんです。
20代で無職になっても人生終わりではない理由
20代ならまだ選択肢が多い
転職活動していた時にハローワークの職員からも言われましたが、20代の場合はよほどの専門職でなければ異業種への転職も対応可能で案外どうにでもなります。僕も会社員時代は建設会社事務、学習塾講師、農業法人と全く違う業界を渡り歩いてきましたが、転職活動自体はスムーズでした。
逆にいえば30代40代と歳を重ね行くにつれて門が狭くなる感じはするので、20代をいかに有効活用するかがポイントになりますね。
また起業願望があったり、元々副業をやっているなどで一人でやっていく自信がある方は起業し、フリーランスになることもアリです。フリーランスになるのは一見ハードルが高そうに見えて、実際は税務署に開業届を出せばその瞬間からフリーランスになれてしまうので、実はフリーランスになるだけなら意外と簡単なんです。

そのかわりフリーランスは会社員と違って会社の看板などはないため、フリーランスとして稼ぎ続けられるかどうかは全て自分次第ですけどね。
無職を経験した人のキャリア成功例
無職は、必ずしもキャリアの後退ではありません。実際に無職を経験し、その後成功をつかんだ人も多くいます。例えば、仕事を辞めたことでじっくり自己分析を行い、より自分に合った企業へ転職し年収アップを実現した人もいます。
また僕がそうでしたが無職期間をきっかけにブログや動画配信を始め、それが軌道に乗りフリーランスとして独立した人もいます。一度立ち止まることで、むしろ自分に合った新しい道を見つけるチャンスになるのです。僕のフリーランス仲間でも無職を経験して、転職しつつフリーランスもやるという二刀流で活動という人もいました。
無職期間をポジティブに活用できる
無職の期間は、これまで忙しくてできなかったことに挑戦する絶好の機会です。例えば、興味のある分野の勉強を始めたり、資格を取得したりすることで、次のキャリアの選択肢を広げることができます。また副業に挑戦し、会社員時代には気づかなかった自分の適性を発見する人も少なくありません。セミナーやオンラインコミュニティに参加することで、新たな人脈を築き、思わぬ仕事のチャンスが生まれることもあります。無職の時間をどのように使うかで、その後の未来は大きく変わるのです。
20代で無職になった人が取れる具体的な行動
すぐに転職活動を始めるべきか?

無職というのは不安を覚えやすいもので早く次の転職先を決めたいものです。ただ転職活動において焦りは禁物です。下手に冷静さを失うとブラック企業に入ってしまったり、ブラックまではいかずとも自分に合わない会社に入ってしまいがちです。
僕も大学卒業後も続けた就活でやっと内定をいただけた建設会社、建設会社から塾に転職するとき、塾を辞めて農業法人に転職するときはいずれも転職活動1か月くらいで内定がいただけました。ただいずれもブラック企業でした。
今考えれば求人票や面接など事前にブラックだと見抜けるポイントもあったと思います。特に建設会社に就職するときは大学を内定がないまま卒業してしまったという焦りがありましたし、農業法人の転職の時も顕著ではなかったにしても心の奥底に「早く次を決めなきゃ」という焦りがあり冷静さを見失ってました。
もっといえば建設会社と農業法人に至っては、面接官の態度が嫌な感じだったり高圧的だったので、面接の段階で辞退しても良かったと思っています。

面接は会社の良しあしを見抜くチャンスでもある。
副業やフリーランスに挑戦する
無職になると良くも悪くも時間がたくさんできます。その点では無職になったからこそできることもたくさんあります。
僕でいえば無職になってからブログを始め、まずは「ブロガー」になりました。また、思い切ってフリーランス(個人事業主)になるのも手だと思います。フリーランスになるのも税務署に「開業届」を出すくらいで、実は特に条件等はありません。
毎年2~3月の確定申告が必須になるくらいで、フリーランスになっても意外と生活全般は変わらないです。
フリーランスになるのがハードルが高いと感じる人は副業でゆるくやるくらいでもいいです。僕みたくブログでもいいですし、最近はWebライター、動画編集、デザインなど多種多様な副業があるので、自分が好きなもの・合いそうなものにチャレンジすると良いですね。
資格やスキルを身につける
無職の期間は、時間があるため新しい資格やスキルを習得するチャンスです。特に転職を考えている場合、希望業界によっては評価される資格を取得することで、仕事の選択肢を広げることができます。
例えば、事務職なら「MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)」、IT業界なら「基本情報技術者」や「Python」などのプログラミングスキル・資格があります。また最近ではオンライン講座も増えていますし、職業訓練も活用すれば、未経験の分野でもスキルを身につけやすくなります。資格やスキルは転職活動時のアピールポイントになり、自信を持って次のキャリアを選びやすくなります。
短期バイトや派遣で繋ぐ選択肢
無職になる前に当面の生活費を貯めたうえで退職するのが一番いいですが、それでもずっと無職でいるといずれ貯金が尽きるときが来るかもしれません。
そのことも考え、お金に不安が出てきたら短期でもいいのでバイトをするのも手です。短期バイトや派遣の仕事を活用するのも一つの手です。例えば、コールセンターや軽作業の派遣、リゾートバイトなどは、比較的すぐに働き始めることができます。
短期の仕事をしながら転職活動を進めることで、焦らずに自分に合った仕事を探せるメリットがあります。また、バイトや派遣で経験を積むうちに、新しい適性が見つかることもあります。「とりあえず働く」ことで気持ちが前向きになり、次のステップへスムーズに進めることもあるのです。

僕も短期バイトをやってきましたが、自分の適性など新たな発見もいろいろとありました。スキル等に自信がなければ内職もオススメです。
僕が会社をクビになって無職になってから復活するまで
僕は会社をクビになりました。すごくショックな出来事でそこから約2年間無職でした。メンタルが沈みつつこの2年間は今までの人生の中でも濃い2年間でした。その2年間でやったことを紹介します。
パワハラを受けて働くこと自体がトラウマになった
大学を内定がもらえないまま卒業したときや建設会社や塾を辞めた後など無職の期間は何度か経験していましたが、特に印象的かつ長かったのが農業法人をクビになった後でした。
入社3週間でクビを宣告されましたが、30分ノンストップで人格否定を社員の前でされ続けた挙句、「おまえは価値のない人間だ!」と言われてクビになりました。帰りも泣きながら帰ったくらいにはメンタルブレイクをされましたが、これによりその後の転職活動は働くこと自体がトラウマになってしまい、ハローワークから求人の紹介はあったもののとても面接など受けられるような精神状態ではありませんでした。
ブログを通じてたくさんの人に出会った
そんな中でこのブログを始めたわけですが、ブラック企業にいたときの発信をしてみると意外にも共感してくれたり同じ経験をした方が多かったようで発信が楽しくなってきました。
当時(2016~2017年)は、ブロガー向けのイベントを各地でやっており、都内であればほぼ毎月何かしらのイベントをやっていました。僕もそれに参加したブロガーを中心に全国からくる様々な方と交流を持ちました。

当時は会社員としての生き方しか知らなかったですが、「フリーランス」として活躍している方からいろんな話が聞けて世界が広がった感じがしました。
シェアハウスに移住。移住先で自信を取り戻した
その後、半年間ですがシェアハウスに移住しました。元々実家暮らしで親と仲違いしたとかはなかったのですが、環境を変えて頑張りたいという欲も出てきたことから移住しました。
シェアハウスではたまに単発のバイトをやり、祭りの屋台から農作業手伝い、保育園の掃除など本当にいろんな仕事をやりました。

元々農業法人をクビになった際に働くこと自体がトラウマになってはいましたが、単発バイトをこなしていく中で直接やり取りをしていた依頼人から「ありがとう」と感謝されることを積み重ねることで、徐々に自信を取り戻していきました。
その後実家に戻り、1年間の運転代行のバイトを挟んで僕もフリーランスになりました。
まとめ
- 退職や転職の経験がない、浅いと無職に関して過度にネガティブなイメージを持ちがち
- 日本の文化として「新卒至上主義」なところもあり、新卒で就職できないと負け組みたいな風潮も少なからずある
- 特に20代においては無職になって転職先は意外とあったり、時間がある無職だからこそ様々な経験ができるし、その経験を活かしやすい
- 僕も農業法人をパワハラを受けてクビになったときは働くこと自体がトラウマになったけど、感謝されることを積み重ねて自信を取り戻した
経験が浅いと無職になることの恐れもありますが、対策や準備をしたうえで無職になる文には意外と問題はありません。社会的にはまだまだ無職に対する風当たりが強い場面もありますが、それ以上に無職に間にできることもたくさんあります。
僕は2年の無職期間が今のフリーランスになる上での基礎になったと思っています。
もちろん良い会社・合う会社に入って楽しく過ごせていればそのまま勤めていても問題ないです。でもブラック企業に入ってしまったりなどで心身を消耗するのは大問題です。そんなときのセーフティーネットの位置づけとして勇気をもって会社を辞めても大丈夫であることや無職の期間も有効活用できることが伝われば幸いです。