経験者は語る!ブラック企業を避ける方法

著者:長池涼太(ブラック企業研究家)

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2024年12月に茨城大学でブラック企業に関する授業をやってきました。

その際学生からの質問等も受けましたが、学生が特に関心のあったことの一つに「どうすればブラック企業を避けられるか?」がありました。たしかにこれから就活をしていく中でブラック企業や労働問題に不安を覚える人にとっては一番知っておきたいポイントかもしれません。

就職活動・転職活動においてどう立ち回ればブラック企業を避けられるのか?実際にブラック企業に勤めた立場として解説しました。

記事の内容についてYouTubeでも解説しています

100%ブラック企業を避けるのは難しい

ブラック企業を避ける方法と言いつつ、前提としてブラック企業を絶対に避けるというのは現実的には難しいです。いくらポイントを押さえてもブラック企業はあの手この手と手を打ってきます。

たとえば求人票を見ると給料が良かったり、休みが多かったりしても内情はハラスメントがあったり、公開情報もいくらでもウソや改ざんはできてしまうため、求職者側としてどうしようもない部分は出てきます。

年間休日と初任給の関係性
これまでにいただいた茨城県内のブラック企業の年間休日と大卒初任給の散布図。想像してたより数字は悪くない

給料が高かったり、休日が多いなど求人票上での条件が良くても実際入社したらハラスメントを受けた事例もあるので、条件が良いからホワイト企業とは必ずしも言えません。

りょうた
りょうた

茨城県内のブラック企業情報は以下の記事で詳しく解説しています。

そのため、100%避けるというよりはちょっとでもブラック企業に入ったり、被害を受ける確率を減らすというスタンスで今回の記事を見ていただけると幸いです。

りょうた
りょうた

昨年、過労死のシンポジウムに行ったときにも登壇した記者の方が言ってました。「過労死を防ぐための決定打はない。だから難しい

ブラック企業を避けるポイント

ブラック企業を100%避けるのは容易ではありません。ただこちらとしてもやれることはやっておきたいです。ブラック企業で実際に働いた身として、経験上重要だと思ったポイントを紹介しています。

自己分析・企業研究

ブラック企業を避ける方法
知名度や規模感などに惑わされず冷静に企業を見よう

ブラック企業以前に就活全般でよく言われることですが、やはり自己分析や企業分析は大事です。

自己分析をすることで自分の好き嫌いや得意・不得意が分かりより自分に合う仕事を見つけやすいですし、価値観的なものまでわかると例えば体育会系の職場がいいのか穏やかな雰囲気の職場がいいのかなど仕事選びの幅が広がります。企業分析も同様で仕事内容や理念などをしっかり把握、理解しておくことで自分に合う職場かがわかりやすくなります

僕も新卒や転職活動の頃を改めて思い返すと自己分析や企業分析が不足していたことで、連続でブラック企業を引き当ててしまったと思います。特に自己分析は基本的に時間がかかるものです。焦って面接受けて内定もらって入社となると、企業を冷静に見ることもできなくなってしまうので、不安はあるでしょうが仮に選考が順調に進んだり内定をもらったりしてもその企業が自分に合うかどうかは冷静に見極めるようにしましょう。

りょうた
りょうた

僕は面接時(後述)で違和感を覚えたこともありましたが、とにかく内定もらった早く働きたい(安心感が欲しかった)と思ってたので即決で入社しました。あのとき冷静に会社を見てればもしかしたらブラック企業だと判断で来てパワハラなども未然に防げていたかもしれません…。

OB・OG訪問でリアルな話を聞く

就職にあたっては、仕事内容や条件面はもちろんですが会社内の慣習などリアルな部分も把握しておくと入社してからのミスマッチは防ぎやすいです。ただリアルな部分は説明会や選考の場ではなかなか質問しづらいと思います。

そういった時に有効なのが同じ高校や大学出身のOB、OGの活用。一般的な社員より少なからず距離感が近いことが多いので、選考などでは聞きづらいことも実際の社員の立場から教えてもらえるのは心強いです。仮にブラック企業だったとしてブラックな部分をどこまで言ってくれるかは未知数ですが、少なくとも言葉の節々や雰囲気から何か感じるものはあるかもしれません。

特に高校・大学と企業が同じ都道府県やエリアにある場合は、OB・OGがいることも多いのでぜひ活用して見ましょう。

面接で会社を見極める

面接に関しては触れている人が少ないですが、僕は経験上ブラック企業を避ける上では今回の1番大事なポイントだと考えています。

例えば僕が勤めた建設会社の面接はのちに総務部で上司になる課長が面接官でしたが、僕がゆとり世代にあたるのもあってかゆとり世代をひとくくりにディスるような言動が見受けられました。正直それに対して違和感を覚えていましたが、就活に苦労してた中で初めていただけた内定でもあり、次の内定がもらえる保証もなかったのでその会社に入社しました。

結果、その課長も含めて部署内でパワハラまではいかずとも圧をかけられるなどで入社2か月でうつ病寸前になり辞めました。

また、農業法人に転職する際の面接は社長が面接官でしたが、こちらは社長が終始高圧的でした。専門的な質問に答えられなかった僕にも非はあったと思いますが、それを差し引いても「一緒に働くのはちょっと…」と正直思ってました。ただ、農業法人に関しても転職活動のことを考えたら面接に違和感を覚えつつ入社しました。

そして、そんな社長から初日から高圧的な態度で来られ最終的には入社3週間でクビになりました。しかもクビの宣告時は他の社員の目の前で30分間もぶっ続けで人格否定されましたからね。

りょうた
りょうた

面接で感じた違和感は案外正解なんです。

求人票で極端な数字に注意

ここまでは面接やものの考え方がメインでしたが、求人票でもおかしな求人はある程度ふるいにかけることは可能です。ハラスメント関係は求人票での判断が難しいですが労働時間や年間休日など「数字」はポイントです。

たとえば労働時間は労働基準法においては労働時間が「1日8時間」「週40時間」が上限として決まっています。36協定を締結していればこれを超えても法的に問題ないですが、労働時間が極端に多い求人は要注意です。

りょうた
りょうた

ただし、求人サイト等であれば明らかに法律を犯しているような文言のある求人はそもそも掲載されないこともありますが。

年間休日に関しては「〇日以上は必須」みたいな法律はないですが、年間休日は多いに越したことはありません。たとえば毎週週休2日があれば年間休日は105日くらいになりますし、そこにお盆休みやゴールデンウイーク、その他祝祭日も加われば年間休日は120日以上に達します。

逆にいえば年間休日が100日を切ると、週休1日の週が増えてきてかなり体力を使うことも想像がつきます。僕も塾講師時代に年間休日80~90日は経験していますが、このレベルで残業まで入ってくるとあまり気が休まらなかったり、友人と遊びに出かけるのも難しくなります。年間休日の公式の目安等はないですが、僕の経験上は年間休日の最低ラインは100日と考えています

年間休日とワークライフバランス
りょうた
りょうた

年間休日が100日を切ること自体は違法ではないです。ただ体力面だけ考えると100日を切ると、負担がだいぶ大きくなるとは感じました。

まとめ

記事のまとめ
  • ブラック企業を100%避けるのは至難の業
  • ブラック企業に入る確率を少しでも下げることはできる
  • 自己分析や企業分析でミスマッチを防ごう
  • OB、OGからリアルな話を聞こう
  • 面接官=会社の雰囲気。圧迫面接などヤバい面接、面接官だったらブラック企業の確率は高い
  • 年間休日が少ないこと自体は違法ではないが、体力やプライベート等も考えると年間休日100日以上(毎週週休2日)が望ましい

ブラック企業を避けるというのは案外難しいです。ただ少しでもブラック企業に入る確率を下げるために我々一人一人ができることはあります。ブラック企業に入ると心身を消耗するのはもちろん、キャリアを考えてもあまりメリットはありません。

僕はブラック企業にいたことで貴重な20代の期間の大半を犠牲にしてしまいました。せめてこの記事を通じて自分のような犠牲者が少しでも減れば嬉しいです。

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