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元塾講師が解説!塾講師を辞める理由8選

著者:長池涼太(ブラック企業研究家)

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塾業界は他業界より職率が高く、人の入れ替わりが激しい業界です。

条件、職場環境、人間関係など様々な理由がありますが、細かいところでは塾業界ならではの退職理由もあったりします。

今回の記事では塾講師時代の経験もベースにしながら、どういう理由で塾講師を辞めてしまうのかを解説しました。

塾業界は離職率が他の業界より高い

一般的に就職後3年以内の離職率の目安が30%程度と言われています。特に新卒の就職においては就職後3年以内の離職率が30%を大きく超えると高い部類になり注意が必要みたいなことは僕も新卒としての就活中にも言われていました。

業界ごとの離職率は厚生労働省もデータとして出しており、新規大卒就職者の産業分類別就職後3年以内の離職率の推移によると、各業界で20~30%の離職率の中で塾業界(教育、学習支援業)は毎年40%以上離職率の数値をたたき出しています。それくらい塾業界は他業界と比べて入れ替わりが激しい業界です。

ただし塾業界が特殊なのは、塾から他業界への転職は非常に少なく転職するにしても同業他社を渡り歩くのがほとんどです。僕が塾講師として勤めていた時も中途で入社してきた人はいましたが、全員他塾からの転職者でした。

塾講師が辞める理由8選

長時間労働

塾講師は他の業界と比べると労働時間が長い傾向があります。

特に受験シーズンや夏休みになると、長時間の授業準備や指導、加えて生徒や保護者との面談が続きワークライフバランスなど言っていられないレベルの忙しさになります。

夜遅くまで働くことが多く、体力的にも精神的にも負担が大きいです。基本的に定時で帰れることはほとんどなく残業は当たり前ですし、特に先述の夏休みや受験シーズンは仕事量が特に多くなるため覚悟が必要です。

りょうた
りょうた

強いて言えば年度始め、春(3~5月)は受験が終わりひと段落したタイミングなので、この時期はまだそこまで残業は多くない。

給与や待遇の不満

教育業界全般において、労働時間や労力に対して給与が見合わないと感じる講師は少なくありません。塾業界自体、少子化の影響で売り上げや給料が上がりづらい側面もあるため、塾講師として大きく稼ぐのは難易度が高いです。

大手を除けば昇給がない塾も珍しくないですし、キャリアの流れも一般講師、教室長、エリアマネージャーと一応決まった流れはありますが、それに見合うだけの条件があるかは何とも言えないところです。

りょうた
りょうた

手当がつくとしても雀の涙レベルということも…。ちなみに僕がいた塾は残業代が出ない会社でした。

モチベーションの低下

学校の先生の場合、「理想の教師像」を抱いて教師になる方も多いようで理想と現実のギャップに悩む教員が多いようです。

塾講師もその傾向はある程度あり授業や指導に対して情熱を持っていたものの、長期間続けるうちにモチベーションが下がり、教育への興味が薄れてしまうこともあります。自分の理想が会社の理想とも限らないので、その辺の兼ね合いにも苦労します。

保護者との関係悪化

塾は「志望校合格」を目的としてそれでお金をいただいていますが、その反面保護者からの過度な期待やプレッシャー、時にはクレームに対処することもあります

僕が働いてたところで言うと、一度後輩がある保護者に目を付けられ怒涛の電話でクレームを受けているのを目の当たりにしたことがありました。このレベルになると当事者だけでは対処が難しいので上司なども駆り出さないと解決が難しく、後輩も憔悴しきった様子でした。

学校では「モンスターペアレント」と呼ばれる保護者がいますが、塾も稀ですがいます。そのような保護者がもとで精神的なストレスとなり、離職につながることもあります。

職場環境の問題

他の講師や上司との人間関係がうまくいかない場合や、職場内の雰囲気がブラックな環境(過度な競争、パワハラなど)も辞める理由となることがあります。塾によっては各教室ごとの合格者など合格実績のノルマが厳しく設定されていることもあり、その場合は社内も常に競争、ピリピリしたような雰囲気になります。

ただ職場環境や雰囲気は塾によってもだいぶ変わってきて、この辺は面接でもある程度見極めることができます。

昔、のちに勤める所とは別の塾の面接を受けたことがありましたが、そこはいかにも体育会系の講師が面接官を務め社風も体育会系の空気がかなり強いのが伝わってきました。そこに少し戸惑ったのが伝わってしまったのか、後日面接の結果の連絡の際に「覇気がない!」と言われてしまいました。一応二次面接に進むこともできたのですが、合わないと判断し辞退しました

りょうた
りょうた

新卒~既卒まで数十回の面接を受けてきましたが、次に進めるのに辞退したのはこの塾が唯一でした。

キャリアチェンジの希望

教育業界に限らず「他の分野に挑戦したい、」「スキルを活かして違う仕事をしたい」といった理由でキャリアチェンジを目指す講師もいます。

僕も23歳から塾講師を始めましたが、ブラックな環境もあり転職願望が徐々に大きくなりました。加えて大学で農業を専攻していたのもあり「自然」に改めて興味を持つようになり「自然にかかわる仕事をしたい」と思うようになりました。

この段階でまだ20代半ばということもあり、若いうちに早めにチャレンジしたいという思いから27歳で塾を退職しました。

生徒数の減少による不安定さ

地方では特に少子化が進んでおり、塾の生徒数が減少して教室の閉鎖もよくありますし、最近では地方の塾が大手の傘下になるという流れもあります。

地方はより少子化の影響もあるため、塾自体の経営が不安定になり、講師の雇用や収入に影響を与えることもあります。

りょうた
りょうた

噂ですが、講師に給料を払えてない塾の話も耳に入っていました。

ワークライフバランスの難しさ

塾講師は基本的に夜型の仕事です。出勤が正午で就業が夜遅く、残業をしていると会社を出るのが日付が変わってからというのも珍しくありません。特に受験シーズンが近づくとよりハードな生活になります。

加えて休みが少ない傾向がある上に会社によっては土日休みが少ないために、家族や友人と予定を合わせるのも難しいです。仕事後にご飯食べに行こうにも、仕事が終わるのが深夜なので開いてるお店がそもそもないですからね。

特に子供がいる方は子育てとの両立も難易度が高いです。

りょうた
りょうた

塾業界は「アフター5」とは無縁の業界かも…。

他業界と比べると辞める時期にも気をつかう

塾業界は退職の時期に気をつかわなければいけない風潮があります。夏休みや冬休み、春休みは講習がありそのタイミングで生徒が増えることもあり塾講師にとっても繁忙期に当たります。

加えて特に12月~2月は受験も控えているためこちらも繁忙期に当たりますし、受験間近ということで他の時期より講師も生徒もピリピリした雰囲気になります。そのため特に受験を控えた12月~2月は下手に辞めると混乱も生じやすいため辞めるタイミングとしてはあまり推奨できません。

りょうた
りょうた

とはいえ、法律的な観点では辞める時期の良い悪いはないので関係ないです。ただ受験が近い時期での退職は会社からいろいろ言われる覚悟は必要ですね。

そのため塾を退職する時期として個人的にオススメなのは、

  • 2月いっぱいで退職(3月から新年度になる塾も多いかつ受験もひと段落するためキリが良い)
  • 3月~5月の春の期間(学年が切り替わったり、受験が遠いので生徒数もそこまで多くなく1年の中では負担が少ない時期)

という感じで基本的には年度いっぱい~春に辞めるのが無難です。

まとめ

記事のまとめ
  • 塾業界は他の業界より離職率が高め
  • 塾講師が辞める主な理由として「長時間労働」「職場環境」「生徒・保護者とのトラブル」「ワークライフバランス」などが考えられる
  • 受験の時期の関係から辞める時期にも気をつかう
  • 年度途中、特に受験間近の冬に辞めるのはハードルが高い。辞めるなら春など受験が終わった時期

塾業界は他業界より離職率が高めなため、辞める方も多くまたその理由も様々です。

保護者との関係性や少子化など業界ならではの理由もありますが、それ以上に「長時間労働」や「待遇面」などそもそも職場環境に問題があるケースも少なくありません。

他業界と比べて生徒の成績アップや志望校合格などやりがいを感じやすい仕事だからこそ、少しでも改善を期待したいと思います。

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